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2025年度事業計画

2025年度(令和7年度)の事業計画が2024年度第3回理事会で承認されましたので、ご紹介します。

⚫︎加盟団体間の連携・強化・情報発信・広報活動事業(定款4条2、3、5項)

 

1.日本在宅ケア・サミットの企画・運営

日本在宅ケア・サミットは、正会員団体23団体が、一年間の活動を報告し合うとともに、その活動を広く専門職および国民に伝えていく場である。勇美記念財団からの委託事業として調査・研究を行った成果を基に、新たな方向性を示すなど、在宅ケアの進展に資する会議等予定とする。勇美記念財団と共催で企画・運営する。

 

2.在宅医療推進フォーラムの企画(新規)

在宅医療推進フォーラム(以下、フォーラムとする)は、昨年20回目の節目を迎え、新たな展開が望まれる。特に、在宅医療のさらなる質の向上に関して、今後、検討されることの必要性が示された。そこで、フォーラムにおける企画委員会並びに小委員会の運営に携わりながら、国民に広く、在宅医療に関する情報を提供していく。

 

3.その他普及・広報活動

広報活動の充実を図る。具体的には、1)会報誌『Nexus』の発行、2)ホームページの充実、3)SNS(Facebook)によるアライアンスと各団体のタイムリーな情報発信、4)研修動画の開発

⚫︎調査・研究・政策提言事業(定款4条1項)

 

【地域包括ケアの深化とモデル事業の推進】

4.在宅ケアにおける食支援

2024年度は、栃木における地域実装の初年度として、会議体の設置、課題分析、講演会開催など、を行った。また、アライアンスの提唱する食支援の概念を明確にし、多職種連携を進めるための「チェックリストの開発」も実施し、公表した。さらに、賛助会員団体の大塚製薬工場様との協働で、Webセミナーを開催した。2025年度は、地域実装の2年目として、課題解決のための多職種連携の推進、倫理カンファレンスの実施、チェックリストを基にしたマニュアルの完成、Webセミナー(第2弾)を企画・運営していく。

 

5.小児の地域包括ケア検討

過去3年間の検討会での議論をふまえ、医療的ケア児支援に関する課題と必要策に関する「提言」(仮)をまとめてきた。主な論点として、地域共生社会の構築、医療的ケア児支援センターの役割、災害時の支援体制、医療従事者の育成、そして地域の医療・介護・福祉ネットワークの構築が含まれる。2025年度は、引き続き、小児在宅医療関係者、教育・保育、行政、こどもから大人へと成長していく過程を含めそれらを取り巻く地域の様々な取り組みと連携し、さらなる検討および地域における具体的な普及・試行を行う。

 

6.在宅ケアにおける災害対策

正会員団体・関連団体の協力を得て、災害時の情報共有体制としての在宅ケアに係る多職種団体の「災害時連絡網」を構築(2023年度)、能登半島地震(2024年1月)に際しては、災害時連絡網を活用し、各団体や関係者で情報共有を行った。その後、各団体における災害対応体制と災害時の在宅ケアに関わる課題について、共通理解と具体的連携の方策を検討してきた。2025年度は、災害時の在宅ケアの維持を可能にするための体制づくりに関する検討、国との情報交換、情報収集体制の整備等を行う。

 

【在宅医療・ケアの評価基準策定と推進】

7.連携モデル開発

連携モデル委員会では、昨年度、2012年に行われた、国の「在宅医療連携拠点事業」の105事例の分析を行った。その結果、事務局機能の重要性をはじめ、大切なポイントが示された。2025年度は、2040年に向けた、新たなモデルの発掘と在宅ケアの質の評価基準の明確化をテーマとした取り組みを行う。

 

8.学術・在宅ケアに係るデータブック開発

データブック委員会では、各加盟団体のなかですでに公開・活用されている在宅ケアに関わるデータやエビデンスの収集を行なってきた。一方、学術委員会では、現在進行形での在宅ケアに関する研究や取り組みについての情報交換・議論の場を月例定例会で行うとともに、在宅医療のQOLについての文献レビュー、多職種/当時者インタビューによる研究を進めてきた。2025年度においては、引き続き両委員会によるデータの蓄積・公開と、新たな研究や取り組みを行いつつ、在宅ケアの質の向上、評価基準の明確化に資するデータや知見を収集する。

 

【医学教育における在宅医療の展開事業】

9.医学教育における在宅医療の展開・普及(新規)

医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて、地域医療・在宅医療および「総合的に患者・生活者をみる姿勢」がコア能力として導入された。しかし、具体的にどのような教育がなされ、「治し支える医療」としての在宅医療がどう位置付けられているかは必ずしも明らかではない。そこで、在宅医療・ケアに関わる様々な専門職団体、学術団体等の代表者からなる委員会を設置し、医学教育の実情等を把握するとともに、より望ましい在宅医療・ケアに向けての教育現場および実践現場の課題を明確化し、必要な対策を検討する。